2016/12/20

年末、五代目が実演を務めます。

2016/12/20
2016年も、残す所あと僅かとなってきました。開化堂では、年末恒例となっています松屋銀座さんでの実演で、仕事納めとなります。この実演には、後半のみですが五代目である親父が詰めております。
今回のブログでは、親父のことを少しお伝えできればと思います。


子供の頃、親父が工房から家に帰ってきて、晩ごはんができるまでの間、よく一緒にキャッチボールをして遊んでもらいました。はじめは楽しく遊びながらやってくれるのですが、野球好きの親父は途中から「本気で教える」に変わってきて、僕はたまらずトイレに行くふりをして戻らないこともありました。
でも、仕事がおわってから一緒に野球をしたりして遊ぶ夕方の時間がすごく楽しかったのをよく覚えています。

この頃のことが、自分が大人になり社会人として働くようになって、「自分の子供ともこんな時間が持てるのっていいな」と思うようになり、それが開化堂に戻る一因にもなっています。


開化堂に戻ってからは、事あるごとに親父に相談をするようになりました。これからやりたいことや思うこと、その日その日にあったことを。
最初は、将来会社を継いで経営していく自信が持てなくて、漠然と不安を感じていたのだと思います。その中で、どうすれば良いのかをずっと学んできたんだと思います。


茶筒をつくることも同じだなと思います。
まずはやり方を教わるのですが、
全体の5%くらいの作業が残ったところで「やってみろ」と。
最初は、やはりうまくできません。
そして、親父のところに見せに行くと、
ダメ出しをされながら、もう一回やってもらう…。

そういうことを何度も繰り返しながら、だんだんとすべての作業をやらせてもらえるようになってきます。そして、今度は「質と量」についても指摘をもらうようになります。
そしてまた、親父のつくったものをみて、どこまでやれるかを考える。
親父のつくる時間をみて、どれくらい早くやるのかを考える。
こんなやり取りをする中で、自分のものづくりの基準や考え方や人に教えることを学んだと思います。

孫の前では、終始笑顔の五代目。


ただ、教わるときに大変だったのが(他のときもそうですが)親父の場合、「そこは、こぉうしたらええんや。わかるやろ?」みたいに擬音が多く、感覚でつくります。僕は、頭で理解してつくるので、非常に苦労しました。
そして、今も親父から仕事で指摘される事もあるのですが、今までの経験値からの指摘なので、それがまた的を得ていまして…悔しいやら腹立たしいやら、という事が未だにあります。

こんな親父に是非、年末会いに来てやってください。
親父も皆さまとお話したくてウズウズしていると思います。


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