古くて新しい新商品
2021/03/26
軽量で低価格な新商品「茶簡」のご紹介です。
この茶簡、新商品と言っても、一重構造のお茶筒として明治の頃から作ってきたもので、二重構造のお茶筒と共にずっと作ってきました。より多くの方に使っていただくために開発されたものだと聞いています。より多くの方、それは時代によって変わってゆくのではないかなぁ?と思います。
おじいちゃんの時代はお茶屋さんと自宅をつなぐ方々のため、親父の時代は、高度経済成長期に数を求められお茶屋さんと多くの方々をつなぐため、そして今は、もしかしたらお茶筒を使うことを始めてみたいと思う方々へのものなのかもしれない、そんな風に思う様になりました。
親父の時代にやっていた、数を作ることはやもすると廉価版を作っているのではないかという誤ったイメージを僕自信持っていたのかもしれないです。でも改めて自分のところのやってきたことを、こうした落ち着いて作れるときに見直してみて、これはこれで素晴らしい技術なんだと気がつきました。
数を作ったり、届けやすくするために職人があみ出した技術、それは後世にも誤解なくきっちりと伝えていかんとあかんもんなんやと改めて気づきました。今はちゃんと自社でも発信できる有難い時代なので、こちらのブログにどんなお茶筒(茶簡)なのかお伝えさせていただけたらと思います。
あと、ちょうど雑誌の和楽さんにも記事を書いていただけまして、また違った視点からみていただけるかなと思います。warakuwebさんの記事はこちらです。
あと、ちょうど雑誌の和楽さんにも記事を書いていただけまして、また違った視点からみていただけるかなと思います。warakuwebさんの記事はこちらです。
パーツの合わせ作業を行っています。
左が茶簡、右が二重構造の茶筒になります。(どちらも80g)
見た目としては、ほぼ従来の「茶筒」と同じで、よく見るとブリキの風合いや縁の処理の違いがあるくらいで、一番大きな違いは、フタを開けた中側の作りが、二重構造ではなく一重構造であること。従来の茶筒をお使いの方でも、気にされる方は少ないのですが、従来の茶筒は、外側のパーツと、内側のパーツが重なって、二重底となっています。そして「茶簡」の場合は、フタと接する胴部分のみを別パーツとして接合してつくった一重構造になります。
これによって、従来よりも使うパーツ量と手間を減らして、なおかつ使っているブリキも若干錫の量が少ないものを使って全体のコストを下げてます。フタがスーッと閉まるかどうかのチェックも省いてますので、フタがスーッと閉まるものも閉まらないものもあります。とはいえ、使っていただく上での気密性など、同じでは無いにしろすごくしっかりと気密性は保たれる作りになっています。茶簡のために、もっと楽しく手にとってもらえるといいなと思って、刻印もひらがなの「かいかどう」にしてます。
これって廉価版?と思われるかもしれませんが、決してそうではなくて、できるだけコストを抑えながら、職人があみ出した技術を活かして品質は落とさない、というところで作ってますので、手にとっていただきやすい価格に抑えた新ラインという位置づけです。
イメージで言えば、ベストではなくベター。これでないとだめ、ではなく、これもいいな、と思っていただけるようなところでしょうか。
一重になることで、もう一つ良いことがあります。それは重量が軽くなること。それも、もう一つの目的だったはずです。茶筒より茶簡は気軽に持ち出せるんです。だから、もしかしたらおじいちゃんの時は、「通い缶」として使われていたのかもしれません。みなさん昭和の初めまで茶筒を持って茶葉を買いに行ってはったんです。雨降ってる時にお抹茶買いに行くと怒られたって聞いてます。
今だったら、それはアウトドアにティーバッグと共に持ち出すことにつながるかも!とかそんな妄想しています。うちの職人さんが気づいたのですが、磁石があると椅子にくっつけられるんです。地べたに茶簡置かんでいいんです!
お届けするお値段は従来よりお安く設定できます。なので、この春から新生活をはじめる方に、一息入れるお茶やコーヒー用として使っていただいて「おっ、こういうのもいいな」となって、そこから従来の茶筒も楽しんでもらえるようになれば最高だなと思います。
そんな中で、前回の記事でご紹介しましたループウィラーさんに作っていただいた巾着と、お茶筒をセットにした、現代の通い缶として数量限定となりますが販売いたします。
京都ではブリキ「二重構造」の茶筒80g、東京ではブリキ「茶簡」80gをそれぞれ数量限定で販売いたします。(どちらの茶筒にもループウィラーの巾着つき。色は、京都・紺色、東京・黒、となります)。イベント後の再販売についてはまだ未定です。
感染症対策も万全にしておりますので、ぜひご来場いただけると嬉しいです。
【京都】
日時:2021年3月20日(土)より販売中
場所: kaikado cafe
17,050円(税込)残りわずかですが販売中です。
【東京】
日時:2021年3月27日(土)より
場所:Gen Gen An 幻 銀座
「茶簡」を9,900円(税込)50個限定で販売いたします。