2020/01/01

本年もよろしくお願いいたします。


あけましておめでとうございます。

昨年は、テレビで特集いただいたこともあり、ものすごい反響をいただきありがたい一年となりました。
製造が追いつかず、お届けにお日にちがかかる中でも多くの方からご注文をいただき、誠にありがとうございます。この場を借りまして御礼申し上げます。

また11月には4年間の集大成としてパナソニックさんと共同開発した響筒も販売することができた年となりました。
本年の年賀状にも、最終調整を行うために5代目と共にパナソニックさんの工場にお邪魔した時の写真を使わせていただきました。
5代目とは、今も工房で一緒に仕事をしていますが、この時、改めて向き合って作業を進める中で、お互いの作業を見ながら今までわかっていたつもりでやっていたことが、まだまだあったんだなと気付かされるよい機会にもなりました。

昨年は、開化堂、Kaikado Caféにも多くのお客様にお越しいただき、
たくさんのご縁をいただくことができました。誠にありがとうございます。
改めましてお礼申し上げます。
本年も 相変わらず のお付き合い宜しくお願い致します。

本年は、以下の日程にて営業開始となりますので、
よろしくお願いいたします。


【開化堂】
1月6日(月)9時より営業

【Kaikado Café】
1月3日(金)12時〜17時(L.O.16時)
1月4日(土)10時30分〜17時30分(L.O.17時)
1月5日(月)10時30分〜19時00分(L.O.18時30分)
1月6日(火)通常営業

お正月の3日、4日、5日はお正月メニューでお待ちしております。
珈琲とともに鍵善良房さんの「花びら餅」も販売予定です。
ご一緒にぜひ。


2019/12/21

使い始めから3年。写真でみる色変化。


開化堂茶筒の特徴の一つである色変化。
皆さまに少しでもイメージしていただきやすいようにと始めた定点撮影が、ようやく3年分たまりました。
以前、半年分・1年分の変化をお伝えしまして、その続編となります。
1年を過ぎると、銅、錻力、真鍮ともに色変化の速度は少し落ち着いてきましたので、2ヶ月ごとに撮影をしてその変化を比較してみました。

これまでの記事はこちらからご覧いただけます。
1ヵ月でもここまで変わる。写真でみる色変化。
使い始めから1年。写真で見る色変化。
「色変化を楽しむ、茶筒の撫で方」

いずれもほぼ毎日欠かさず数十秒〜1分程度、手のひらでまんべんなく撫で続けたもので、必ずこの通りになる、ということではありませんが参考としてご覧ください。

【銅】


上は、新品・半年・1年の比較です。

以下は、1年以降の2年間を2ヶ月ごとに撮影した比較となります。





はじめの1年間と比べると大きな変化はありませんが、だんだんと色ムラやくすみがなくなってきて、色に深みがかんじられるようになり、しっとりした艶がでてきました。2年を過ぎてくると均一感のある飴色に変わってきました。
これから数年〜数十年をかけて、この飴色が徐々に深みを増していきます。


【錻力(ブリキ)】



上は、新品・半年・1年の比較です。

以下は、1年以降の2年間を2ヶ月ごとに撮影した比較となります。





鏡面的な映り込みがどんどん少なくなり、1年8ヶ月を過ぎる頃にはほぼなくなりました。また、つやつやした手触りから、サラサラとしたマットな手触りに変わっていきます。そして、2年を過ぎてくるとドボ漬けのブリキ独特のゆらぎ模様が、際立って見えるようになります。これはベースになっている鉄板の影響だと思いますが、部分的にうっすらと黄土色〜茶褐色に変化しています。特に天面では顕著に変化してきました。
通常、錻力は30~40年かけて銀〜灰〜黒へと変わっていきますので、時間をかけて更に変化していきます。


【真鍮】



上は、新品・半年・1年の比較です。

以下は、1年以降の2年間を2ヶ月ごとに撮影した比較となります。





1年4ヶ月頃までは、全体が赤茶色に覆われるような色変化をしますが、蓋と胴体の境目付近に、真鍮の黄色に戻るような変化が現れてきました。そして、側面上下の赤茶色は薄まったり濃くなったり少しずつ変化しています。
これから数十年をかけて、全体的に焦げ茶色変わっていきます。


いかがでしょうか?
今回は3年という時間での変化をお伝えしましたが、こちらの写真のようになることが正解、というわけではありません。
使われる人や環境によって変化の仕方は様々だと思います。それは皆さまの暮らしにそった変化とも言えますので、気負わず気楽に使っていただけると嬉しいです。


2019/10/31

ワイヤレススピーカー「響筒」


Facebookでも少し告知させていただいていましたが、
11月8日、パナソニックさんと開化堂の共同でつくったワイヤレススピーカー「響筒(きょうづつ)」を販売できることになりました。

蓋を開けると同時にゆっくりと音が聞こえはじめ、開いた瞬間に音がふわっと広がる。それはお茶の香りが部屋に広がっていく感覚と似ているかもしれません。蓋を閉じるときは、蓋の自重でゆっくりと落ちるに従って音もフェードアウトしていく、手に持って開閉すると、手のひらで音の響きを感じていただける感覚を味わっていただけます。単にワイヤレススピーカーで音を聞くと言うだけではなく、色々なものを感じ、次の代へ継ないで行くことのような、何かを感じていただけるものになったのではないか?と思っています。

100個のみと限定販売になりますが、プロジェクトスタートから4年、ようやく皆様にお届けすることができます。




4年前パナソニックさんから、私もメンバーであるGO ONにオファーをいただきスタートした「Kyoto Kaden Labo」と言うプロジェクトですが、当初は、「これで本当に何か形にできるのか?」というくらい難航して、半年近く何も形にならない時期がありました。その時は何を目指して、何をつくるのか、そういった共通意識や共通言語を作っていた時期だっと思います。同じものづくりでも、ベクトルの方向性が違うものづくりをしてきた家電と工芸だから、それは仕方がないことだったと思います。中川木工芸の中川さんがよく言うのですが、お櫃屋としてはナショナルさんが電気釜を作って廃れたと、その時は天敵でしかなかったと。
でも今100年先の良い暮らしってなんだろうと考えたらやっぱり同じだよな、ともみんなで話し合っていました。

パナソニックのデザイナーの皆さんとGO ONメンバーで、座禅を組んだり、GO ONメンバーの各工房で実際に制作体験をしたり、合宿して銭湯一緒に行ったり、できるだけ多くの時間を共有するようにしました。そして何度も話し合いを重ねる中で、ようやく自分たちの進むべき方向性として、「100年先の心地よい暮らし」を目指した「五感や記憶に響く体験価値」というコンセプトが見えてきました。そんな中で、ようやく響筒へとたどり着いて行きました。
プロトタイプができてから、京都やミラノでの展示、そしてミラノサローネでのプロジェクト自体の受賞。その中で世界の評価はどんどん上がって行きました。

でもプロトタイプと製品は似て非なる物。皆さんの手に届けると言うことは簡単なプロセスではありませんでした。経年変化していくことへの許容や、茶筒自体が響くことが体験としては面白い反面、音のクオリティをどう上げるのかという難しさ。素材自体の薄さのこだわりと検証。ここに書ききれない色々なことがありました。





そんな中で時間はかかりましたが、このプロトタイプの発想・形をほぼそのまま製品化できたことは、本当に嬉しく、改めて上蓋の内側の刻印をみた瞬間、やっとここまで来れたんだなとしみじみとなりました。
作る上では、一つ一つはきちんと作れる開化堂、ただ隣のものと全く同じかと言うとそうではない。逆に全てのものが同じクオリティのパナソニックさん、そこには最初は大きなギャップがありました。お互いに歩み寄り、作る工程も行ったり来たりしながら、いかに最初の思いを形にするのかを、お互い相手を考えてやりきった結果がこうして結びついたのだなと思います。



最終調整を行うために5代目と共にパナソニックさんの工場に入りました。そこには普段通り仕事できるように畳が置かれていて、いつもの開化堂を受けいれてもらえたんだと嬉しかった。でもちょっと最初は「お客さん」的な感じの雰囲気もありました。ただ、お互いのものづくりの基準を共有しながら、一緒に話をし、作業を行うことで、最後はこの写真みたいに!
無事、時間内にきっちりと終われた瞬間、開化堂とパナソニックさんが心を通じて一緒に慣れた瞬間でもありました。

11月8日から、Kaikado Café 2階にて「響筒」を展示販売いたします。
実際に手にとって、手のひらで音を感じる体験を是非。
お客様のスマホとペアリングして音楽を聴いていただくこともできます。
皆様のお越しを心よりお待ちしています。



2019/10/08

CRAFTS PEOPLE 2019


久しぶりの投稿になります。
今回で3回目となる職人展「CRAFTS PEOPLE 2019」をKaikado Caféにて、10月31日(木)まで開催中です。

改めて紹介しますと、職人展「CRAFTS PEOPLE」は、若手の職人達が普段のものづくりから少し離れて、自分たちが今作りたいものを自由に制作し、身につけた技術や考えを知っていただける機会として開催しているイベントです。

第1回は、開化堂の若手職人だけでの開催でしたが、第2回では、中川木工芸さんの職人も加わり、そして第3回となる今回は、開化堂、中川木工芸 比良工房さん、賛工芸さん、黒田工房さん、EN TEAさんの職人たちが参加していて、今までよりもさらに、僕や中川さんはできるだけ口出しせず、メンバー決定なども含め、ほぼすべてを職人のみんなに任せて進めてもらいました。

第2回に引き続き、販売できる作品づくりを前提条件として、前回作品を発展させたものや、日々のものづくりの技術から生まれた作品、全く別の手法から作られた作品など、全体的にクオリティも上がり、展示にも工夫を凝らした内容となっています。















自分たちも出演したDM、ポスターのビジュアルは、それぞれが使った道具とともに撮影して、若い職人たちもがんばってますよ!という若さ、フレッシュさをテーマとして作っていて、こちらも好評です。





オープニングパーティーでは、普段人前でお話する機会の少ない職人たちも、自分の言葉で作品のことや職人展のことをお伝えしました。

作品をあえて作らず、進行役となるディレクターを立てるなど、自分たちで役割分担を考え、一人ひとりがより自分ごととして動いていて、自立心が明確に感じられるようになりました。

おかげさまで、非常に好評で、すでにいくつも注文をいただいている状況ですが、僕としては、前向きなチャレンジであれば、どんどん失敗してもいいと思っていて、その経験を積み重ねて、僕も含めみんなで共有しながらさらに成長できると嬉しいなと思っています。

今回は、ほとんどの作品が手にとって触っていただけますので、例えば、ずっと触っていたくなるようなきめ細かな仕上げがされている木工作品や、お茶として飲んで頂くことでさらに理解が深まる茶葉の作品など、見た目以上に多くのことを感じていただけると思います。
会期は10月末までとなりますが、ぜひ職人たちの作品を直にご覧いただければ幸いです。


2019/02/25

開化堂の職人。


現在、開化堂では6名の職人たちが、日々茶筒づくりに携わってくれています。その中で「家族でいうと、一番上のお兄ちゃん」。そんな感じでまわりの職人からも慕われている石場くんを今回はご紹介します。

うちに来てくれるようになって、もう少しで10年の彼ですが、うちに来る前は、大学で演算処理の研究のために、計算と実験、データ収集に明け暮れる日々の中「これを一生の仕事にするのは違うなぁ」と思ったそうで、もともと少し興味のあったものづくりから職人を目指すようになり、学校を入り直して、うちに来てくれるようになりました。

最初の頃の印象は、若くて初就職ということもあってか、一言で言うと少し線が細くて、話好きな親父やおかんや僕と違い、どちらかというと、寡黙で淡々と物事を進めていくタイプかなと。でも、しっかりと将来を見据えている部分も根っこに持っていながら、ゆるさもあって人間的にもすごく面白い子やな、という印象でした。
普段、仕事をしながらの会話もありますが、実演などで県外やNYやミラノに一緒に行ったりするときなど、少しまとまった時間が取れる時は、開化堂とは?とか、将来はこうしていくのもいいな?などの話をしたり、時間を共有することで言葉や数字だけでは伝えられない部分を僕なりに共有してきました。



NYでの実演やミラノに行ったときの写真です。

今回改めて本人から少し話を聞いてみると、
『開化堂で働くようになってもうすぐ10年ですが、一生懸命ものづくりを覚えて、作ってをしてたら、ほんとにあっという間という感じですね。でも最近は、後輩も増えて自分だけの技術向上ということだけではなくて、茶筒を作っていく上で、教えてもらったやり方を守りつつも、それを複数の職人でやっていくためにはどう教えるのかということを考えることが多くなりました。
例えば、茶筒づくりの要所になる所は、かなり技術力のついた後輩の原くんにお願いしながら、全体として流れるように他の職人ともできるだけコミュニケーションを取りながら、僕も作業をするようにしています。』

『以前は、実演に行っても少し漠然と販売する感じでしたが、今は、シーズンや場所などの条件を考えながら、茶筒をいくつ持っていってどの程度販売できるかなど数値化しながら動いたり、その日、その月の茶筒の製造個数を踏まえて、作業の効率化できることはあるか、ということもやはり考えるようになりました。でも、一番意識しているのは、効率化が必要な場面などでも、何を変えて、何を変えないのか、といった『開化堂らしさ』につながる部分を強く意識するようになりました。』


皆、毎日一生懸命茶筒づくりに取り組んでくれています。

いつも通り淡々と話す彼ですが、みんなを動かしながら毎日を進めてくれていて、しっかりとものづくりの基盤を作るところまでに太くなってくれてるなと改めて感じました。
今までの自分を変えながらも、毎日のものづくりが動いていくために日々尽力してくれいるありがたい存在となっています。

そして、そもそもの手づくり茶筒の価値や、何が開化堂らしさにつながるのか、ということを意識してくれているのは、とても嬉しいことです。

僕自身も意識していることですが、つくり手が変わっても、茶筒の品質は絶対に変わってはいけないし、いつでも職人が修理したりできるようにいないといけないと思っています。それは、親父も祖父も曽祖父も、今まで開化堂の先代たちが続けてきてくれたことでもあるし、つないでいく努力を惜しまないことが僕の役割でもあると思っています。

とは言え、皆様にはそんな堅苦しいことを意識していただく必要はありませんので(笑)。お茶筒を手にとっていただけた際に、ほんの少し、つくり手のことに思いを馳せていただけると嬉しいです。もちろん、店頭や実演などでお目にかかれる際は、ぜひお声掛けください!上手に話せる職人ばかりではありませんが、今の開化堂を感じていただけるきっかけになると思います。


2018/12/05

茶筒を感じていただけるカフェ。

お陰さまでKaikado Caféをオープンして、はや2年が過ぎ多くのお客様にご来店をいただいております。
スタート当初にはなかったスープやポトフの軽食や、ご好評いただいてますチーズケーキもテイクアウトをご用意できるなど、フードメニューも充実してきました。
ドリンクメニューも、焙煎人である中川ワニさんから定期的な指導をいただき、常に美味しいコーヒーをご提供できるように、スタッフも日々スキルを向上させていたり、EN TEAの茶師である松尾さんのご協力により、季節に合わせたお茶をご提供できるなど、こちらも充実してきました。






そして、年を追うごとに棚に並べてある珈琲缶が、だんだんと色変化を見せてくれています。毎日スタッフが手にとって撫でたり、コーヒーを淹れるために使用するたびに触ることで、それぞれの缶が成長するように変化しています。こういった変化を直に感じていただけるのが、実はCaféの一番の特徴だと思っています。
Caféにお越しの際は、都度、変化の進み具合を見ていただけると楽しいと思います。

それに色変化だけじゃなく、実際にコーヒーを淹れる時の使い方をみていただけたり、カウンターに並べた茶葉入りの茶筒を直接手にとっていただいて、使い心地を感じていただくことができますので、遠慮なく触ってください。
もちろん、販売もしてますので気に入っていただければお買い上げください!(笑)



昔、お茶が盛んに飲まれていた時代には、開化堂の茶筒は、お茶の生産地からの「通い缶」として、繰り返し使える道具としても使われていました。だから、保存性を高める気密性や頑丈さが欠かせませんでした。そんなことにも思いを馳せながらご覧いただけると嬉しいです。

これからも、茶筒を傍らに感じていただきながら、コーヒーやフードを召し上がっていただける場として、Kaikado Caféを今後ともよろしくお願いいたします。