2017/06/15

1ヵ月でもここまで変わる。写真でみる色変化。

2017/06/15

「どんなふうに色が変化していくの?」と、実演や店頭でよくご質問をいただきます。
また、雑誌などで新品だけをご覧いただく場合など、「色が変わっていく」という言葉だけでは変化の過程がイメージしづらい方も多いと思います。

今回は、茶筒の色変化を少しでもイメージしていただきやすいように、新品から撫で始めて半年間を、1ヵ月ごとに写真を撮ってみました。必ずこうなる、という訳ではありませんが、茶筒を使い育てていく楽しみを感じていただけると幸いです。


【銅】
銅はほかの素材と比べて一番変化がはやく、撫で始めて1ヵ月の間に、濃い茶色へ変わっていきます。人によっては1週間ほどで写真の1ヵ月に近いくらい変わる場合もあります。通常、1〜2年程度で変化の度合いは落ち着いてきます。
ただ、この落ち着いてくるまでの間に、多少変化にムラが出たり、水滴などによるシミなどができて「汚れてきた」ように感じる方もおられますが、そこを辛抱して撫で続けていただくとムラやシミがなじんできて、全体に艶が出てきます。ここから、さらに撫でていくと深みのある、綺麗な飴色になっていき、変化も均一になっていきます。





【錻力】
錻力は、銅、真鍮に比べ一番変化の遅い素材になります。写真をご覧いただく通り、徐々に徐々に鏡面のような光沢が大人しくなり、灰色に変わっていきます。そして、30~40年かけて銀〜灰〜黒へと変わっていきます。その間も、わずかな凹凸が地模様のように変化し続け、最終的には渋みのある茶筒になります。




【真鍮】
撫で始めると、銅ほどではありませんが変化が現れ、1ヵ月が経つ頃には新品とはまた違った艶がでてきます。使い始めの金色から徐々に赤み、もしくは黄色がかっていきます。また、撫でる際に手の平の触れる頻度の違いが徐々に全体の色変化に現れてきて、まさに使う人だけの文様が生まれてきます。10年もすると濃い飴色に落ち着いていきます。





いかがでしょうか?
今回撮影しました茶筒は、毎日1分程度撫でて変化したものですが、
もちろんこれは義務ではありません(笑)。

例えば、お茶やコーヒーを飲んだり、料理をつくったりする日常の中で、茶筒を使うことを含めて「小さな楽しみ」として、手に取った時に撫でてもらえるといいと思います。
触る人によって、手の水分量、油分量の違いや、季節、天候、気温、撫でる時間によっても変化の仕方は違ってきますので、使った人にしかできないことともいえます。

日常生活の中で茶筒を使う時に、少しだけ意識して撫でる。それを続けていただければ、それだけであなただけの茶筒に育っていくのです。そして、これは数十年単位で楽しんでいただけることですので、続きを次の代の人につないでいただくこともできると思います。

ぜひ、気長に無理せず楽しんでください。
撫で方は、こちらの記事も参考にしていただけると良いかと思います。





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